2024年10月31日
今年度第2弾の企業向けセミナーを開催
北九州障害者しごとサポートセンターによる令和6年度企業向けセミナーの第2弾として、「専門家・先輩企業から学ぶ障害者雇用促進セミナー 精神・発達障害者の定着支援について」が9月13日、西日本総合展示場(小倉北区)で開催され、企業及び関係者27人が参加した(写真)。
同センターでは、北九州市から「北九州市障害者雇用アドバイザー派遣事業」を受託、障害者雇用を検討している、または実際に障害者雇用を始めて間もない企業にアドバイザーを派遣している。今回は障害者雇用に関する法制度や障害者の雇用事例を通して、雇用と職場定着への理解を深めてもらうことを目的に企業向けセミナーを開催。
この日は、小倉公共職業安定所の渡辺愛恵氏、富士通コミニュケーションサービス株式会社の藤野英明氏を講師に招き、講演が行われた。このなかで渡辺氏は、ハローワークには企業を支援する事業として「精神・発達障害者雇用サポーター事業」があることや、支援機関の活用により定着率が向上することを数値やグラフを用い説明した。また、藤野氏は障害者雇用の導入について、「企業における障害者雇用の目的、ありたい姿を明確にして社内で共有すること。そのうえで関係者間で議論を進めながら理解を深めていくアプローチが必要」と述べた。精神・発達障害者の定着支援については、「会社が求めるものと本人の目標の共通認識が必要であり、こまめなコミュニケーションと定期的な面談は認識を共有することや、不安や課題を早期発見し早期対応するうえで効果的である」と説明。さらに、事例の報告を通し「精神障害者の雇用を実践して学んだ事として、長所や強みを活かし業務とマッチングできれば職場への貢献は拡大する」と述べた。
その後の質疑応答では、「経営側の理解と現場の理解を促進するにはどのようなアプローチが有効か」「現場が離れている状況で、各現場の管理者や社員の理解を得るには何か良い方法があるか」「障害が原因で感情的になる社員がいる。環境調整などどこまで配慮が必要か」など参加者から切実な質問が出され、講師を中心に意見交換が行われた。参加企業からは、「具体例も聞けて、自社で行うべきことが見えてきた」「他者の方も同じ悩みを抱えていると改めて思った」「障害者雇用ではなく、労働力を確保する観点で取組みたい」など前向きな感想が多く寄せられた。なお、次回の第3弾は12月に開催予定。